もしも突然、身に覚えのない事件で逮捕されてしまったら……。おそらく、そこには2つの道しか残されていない。「やりました」と認めて刑の軽減を狙うか、否認して裁判で徹底的に争うかだ。 【事件概要/前編はコチラ ※後編からでも面白いです!】 ■誰の身にも起きる可能性がある“引っ張り込み” 埼玉県在住の中古車販売業・内田浩樹さん(38)は、後者を選択した。過去に3度も身に覚えのない事件で起訴され、すべて否認を貫き、1件は1審で無罪判決、もう1件は最高裁まで争って懲役1年10か月の有罪判決、そして最後は1審の懲役2年6か月を高裁でひっくり返す逆転無罪という結果だった。人生で2度も無罪判決を勝ち取った人は、日本で内田さんしかいないかもしれない。 3つとも、似たような犯罪だった。詐欺事件を起こした犯人が「内田に指示された」と供述し、首謀者として逮捕されるという形だ。これは刑事事件の世界で「引っ張り込み」と