重篤な交通事故にあい脳に損傷を受け、12年に渡って植物人間状態にあった男性と、機能的磁気共鳴画像(fMRI)スキャナを用いて意思の疎通をとることに成功したと、カナダ、西オンタリオ大学の研究者らが米医学協会誌「JAMA Neurology」に発表した。 植物状態とは、脳の広範囲が活動出来ない状態にあるが、辛うじて生命維持に必要な脳幹部分だけは生きている、重度の昏睡状態を意味する。 実験は、重篤な脳損傷により長期間無反応だと考えられてきた3人の患者に、機能的磁気共鳴画像法(fMRI)と呼ばれる、脳の活動領域をスキャンする装置を用い、外部から簡単な言葉で呼びかけ、その反応能力を調べた。 その結果、3人の患者全員が、リラックスするよう指示した時と比べて、数を数えるよう指示された時に、脳が活性化したという。また、3人の患者のうち2人(植物人間状態の患者と、最小意識状態の患者の1人)は、特定の刺激に反