図形楽譜(もしくは図形譜、Graphic Notation)とは、五線譜などの定形化された記譜法を使用せず、楽曲をコード化・視覚化したものである。 その起源は、楽譜を考案したすべての試みと捉えられるため、紀元前の石版に記された文字譜やタブラチュア(タブ譜)にまで遡る。西洋音楽の優勢以降では、20世紀初頭のイタリア未来派において、初めて定形の楽譜から意識的な逸脱があったと言われる。 即興演奏で利用される図形楽譜は、偶然と差異を生むアプリケーションとしての機能を果たす。また演奏されることを目的としない、楽曲のデータ構造を模したコンセプチュアルアートなども、この発展型として含まれる。図形楽譜において、その再現性の難しさは、創造性の豊かさに比例するのだ。 したがって、図形楽譜を愉しむとは、そのヴィジュアルによって自分の内部で鳴らされる音を愉しむことである。ここに選んだ図形楽譜のどれからも、好きな音
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