女性が拘置所で書いた手紙。幼いきょうだい4人の世話を母から押しつけられ、苦悩する様子がつづられている=2020年11月9日午後8時37分、服部陽撮影 「毎日手を合わせ、お供えをしたい。死ぬまで一生続ける」。9月、大阪地裁。3歳だった弟への傷害致死罪に問われた女性(25)は涙をこぼし、タオルをぎゅっと握りしめた。大好きだった弟をなぜ、死なせてしまったのか。拘置所で女性が書いた手紙には後悔とともに、幼いきょうだい4人の世話を母親から押しつけられた苦悩がつづられていた。「(私は)おかん(母)のロボットじゃないのに、おもちゃじゃないのに」――。事件の背景に何があったのか。女性の足跡をたどった。 大阪市の南東部にある平野区。住宅や町工場が混在する地域に、女性が暮らした3階建ての家はある。トラック運転手の父(47)と、中程度の知的障害がある母(43)の長女として生まれた。母に対する父のDV(家庭内暴力