はじめに 前回の記事から随分と時間が経ってしまいましたが、連載を再開します。 日本の国土は南北に長いため緯度により気候が大きく異なり、亜寒帯から亜熱帯まで多様な気候帯が存在します。さらに富士山のような高山もあるため、標高でも気候が変わります。また、森林が成立するには十分な気温と降水量が必要となります。そして日本は降水量に恵まれているため、国土のほぼ全てで森林が成立します。つまり、森林の種類を決定する最大の条件は、気温です。 今回は、日本における気候と植生の関係を解説します。 1.日本の植生の分類 日本の植生を地図で示すと、下の図のようになります。 画像出典:環境省 自然環境局 生物多様性センター 植生が緯度や標高の影響を受けていることがよくわかると思います。ここでは、日本は東西で植生が異なることに留意して下さい。以下に、各植生の特徴をごく簡単に述べます。 なお、気候は連続的に変化するため、