ベテランの受難が続くサッカー界で 現役にこだわるのには理由がある。 かつての人気者は、弱音を吐く こともなく、胸を張った。 Sportivaのノンフィクション連載が復活! 2008年12月、仙台。外は底冷えする寒さで、通りを歩く人々はコートの襟を立てて背筋を縮こませていた。店内には食欲をそそる牛タンの焦げた匂いが香った。 「体がぼろぼろになるまで、ボールを追えなくなるまで、オレはサッカーをやりますよ。せっかくサッカー選手をやれたのに、中途半端で終わったら罰が当たる。だから現役にこだわっているんです」 彼は鳥龍茶を飲み干すと一気に捲し立てた。 2008シーズン限りでJ2ベガルタ仙台から戦力外通告を受け、来季の所属先が決まっていなかった。仙台ではスーパーサブとして終盤に投入され、決勝点をアシスト。それは必勝パターンだった。関係者は「彼のピンポイントクロスは絶品。勝ち点15は稼いだ」と活