オホーツク海に面した流氷とホタテの町・北海道常呂町(ところちょう)。同町自慢のカーリングホールの中では、トリノ五輪のカーリング女子日本代表を決める熱い戦いが展開されていた。 11月23日、チーム「青森」対チーム「長野」の代表選考会。ゴーッという地鳴りのような音をたてて重さ約19キロのストーン(石)が氷の床を滑り、ゴツンと別のストーンにぶつかる。「イエース」(ストーンを滑らせるため氷上をブラシで掃け)「ウォー」(ブラシで掃くのをやめろ)というスキップの指示に合わせて、ブラシを抱えた2人の選手がストーンを目標へ誘導していく。 リンク内にも設けられた特別席も含めて、満員の約550人の観客は、固唾(かたず)をのんで大一番を見守った。行き詰まる試合が動いたのは、残り2エンドとなった終盤の第8エンド。「青森」のスキップで地元・常呂町出身の小野寺歩(27)のショットが勝敗の行方を決めた。小野寺が投げ、リ