序文 サイトカインとは,免疫担当細胞をはじめとする各種の細胞から産生される生理活性物質の総称である. 細胞が体内で相互作用を営む方法は2つある.ひとつは,相手の細胞と相互に接触・結合する場合である.これはcognate interactionともよばれる.しかし,広い体内で細胞どうしがたがいに接触する機会はそうあるものではない.もうひとつの方法はサイトカインを用いる方法である(factor-mediated interaction).この方法では,すぐ隣り合わせの細胞のみならず近傍の細胞とも相互作用を営むことができる.さらに,サイトカインが血流に乗って遠隔臓器の細胞にまで行き着き,細胞から発せられたシグナルを伝達することができる.このように,サイトカインは細胞が相互作用を営む際に必須の存在であることから,細胞が用いる“ことば”ともいわれる. サイトカイン(cytokine)というのは造語で