ブックマーク / igakukotohajime.com (6)

  • マクロCK血症

    研修医の先生から「なんでこの患者さん採血検査でCK上昇しているのでしょうか?」と質問があり、マクロCK血症と思われる症例を経験し勉強した内容を簡単にまとめさせていただきます。 1:CKに関して CK(creatine kinase)はM型とB型の2種類から作られます(下図)。CK-MM:骨格筋、CK-MB:心筋(心筋全体の25%未満)という関係にあります(BBは臨床上問題になることは少ないため省略)。 2:マクロCK血症とは? これらのCKアイソザイムとは別に存在する場合があるのがマクロCKであり、type1とtype2に分類されます。 ・Type 1:CK-BBと抗体(多くはIgG)の重合体 ・Type 2:ミトコンドリア型 悪性腫瘍で上昇する場合がある マクロCKは通常のCKよりも半減期が長いため、血中から除去されるのに時間がかかり血中CK値が上昇する原因となります。 3:CK-MBの

    マクロCK血症
    fromjupitor
    fromjupitor 2024/04/16
    マクロCK“疑うポイントとしてはCK-MBがCK全体の25%以上の時などと言われていますよね”
  • 発作(Seizure)の臨床像

    てんかんの臨床像を把握することは病歴聴取上極めて重要です。病歴聴取が不十分なまま脳波検査に突入しても迷宮入りしてしまうためまずは代表的な臨床像を知識として把握しておく必要があります。てんかんは「前提知識がないとそもそも何を問診すればよいか分からない」という事態に陥りがちなので重要です。これもまだ未完成なのですが適宜追記していきます。 発作(seizure)の3原則 ①発作型が毎回同じ ②持続時間は1-2分と短い ③突然始まり、突然終わる *上記は音成先生から教えていただいた内容です 発作型の分類 ILAE てんかん分類系統2017 てんかんの診断は以下の3段階で行います(成人ではてんかん症候群に該当するものはまれなので2段階目までになることが実際には多いです)。 1:発作型の分類 2:てんかん病型 3:てんかん症候群(これは該当しない場合もあります) ここで最も重要(というかほとんど全て)

    発作(Seizure)の臨床像
    fromjupitor
    fromjupitor 2023/07/12
    “舌咬傷(ipsilateral tongue biting):焦点と「同側」の舌側面を噛”
  • 深部感覚失調 sensory ataxia

    0:神経解剖 失調というと小脳失調が有名ですが、深部感覚が障害されても体の位置がわからなくなることで失調が生じます。 外部から皮膚に加えられた刺激は表在感覚と表現し、身体部位の運動・姿勢に関する身体内部(筋肉・骨・関節)由来の刺激を深部感覚といいます(固有感覚:proprioceptive sensation)。普段救急の神経診察ではあまり診察しない項目かもしれませんが、失調(ataxia)の評価ではとても重要です。 神経経路としては 末梢神経→後根神経節(Dorsal root ganglion;DRG)→神経根後根→脊髄後索→延髄(薄束核・楔状束核)→(対側)→内側毛帯→視床→大脳皮質 という経路をたどります(下図参照)。脊髄からを後索-内側毛帯路とも表現します。 以下それぞれの高さでの後索-内側毛帯路の走行を示します(いずれも緑色)。 ・脊髄:後索 脊髄では末梢神経からの入力同側の脊

    深部感覚失調 sensory ataxia
    fromjupitor
    fromjupitor 2023/06/13
    “振動覚 128hz音叉を使用して、出来るだけ骨に近い皮下組織が乏しい部位(遠位は下肢外踝・内踝、上肢尺骨頭・橈骨頭、近位は上前腸骨棘、胸骨)で検査”
  • Eculizumabと髄膜炎菌感染症

    元々はaHUS/PNHに対して使用されていましたが、神経内科領域では重症筋無力症、視神経脊髄炎関連疾患で抗補体モノクローナル抗体のeculizumab(商品名:ソリリス)が投与される機会が近年増えてきています(ギランバレー症候群は現在治験中)。しかし、Eculizumab投与中髄膜炎菌感染症は1000-2000倍増加するとされており、髄膜炎菌感染症は致死的なため医療従事者は十分注意する必要があります。ここで勉強した内容に関してまとめます。 髄膜炎菌感染症の治療 第1選択:セフトリアキソン(CTRX) 2g q12hr Eculizumab投与中の患者さんが発熱して医療機関を受診した場合はすぐに血液培養2セット提出の上でセフトリアキソン2g投与するべきです。 髄膜炎菌ワクチン ■4価髄膜炎菌結合ワクチン MenACWY 効果:髄膜炎菌(血清型A, C, Y, W-135)に対する予防 *B型

    Eculizumabと髄膜炎菌感染症
    fromjupitor
    fromjupitor 2021/08/03
    “アモキシシリンが良いのではないかと個人的に”
  • 血液浄化療法 plasmapheresis

    0:血液浄化療法の分類 血液浄化療法(Plasmapheresis)は血液中の血漿成分(血球ではなく)を体外に除去する方法で、免疫疾患で血漿中のガンマグロブリン、補体、サイトカインなどを除去する目的で行う治療法です。どの大きさの分子量を除去するかによって大きく以下の方法に分類されます。 ・単純性血漿交換 Therapeutic Plasma exchange (TPE) *いわゆる血漿交換 ・血漿吸着療法 Immunoabsorption Plasmapheresis(IAPP) ・二重膜濾過法 Double filtration Plasmapheresis (DFPP) これに加えてより分子量を制限した選択的血漿交換 Selective plasma exchange(SePE)があります。これらを分類した表を以下に載せます。 分子量で重要なのは多くの疾患で除去したいIgG=分子量15

    血液浄化療法 plasmapheresis
    fromjupitor
    fromjupitor 2021/07/04
    良い図がたくさん
  • 異常蛋白血症に伴う末梢神経障害 Paraproteinemic neuropathy

    異常蛋白血症(paraproteinemia)とは? まず基的なおさらいですが、形質細胞由来の免疫グロブリンはHeavy chain(H鎖)とLight chain(L鎖)の2つから構成されています。H鎖はIgG,IgA, IgM, IgD, IgEの5種類があり、L鎖はκとλの2種類があります。これらが組み合わさることで免疫グロブリンを構成しています。そして、このうちある一種類の免疫グロブリンが異常に産生されたものをM蛋白(M-protein)と表現します。 M蛋白血症を捉える方法として免疫電気泳動(IEP: immuno electropheresis)、免疫固定法(IFE: immunofixation electropheresis)が挙げられ、後者の免疫固定法の方がより有用とされており(前者で検出できなくて、後者で検出できる場合がある)重要です。M蛋白血症は検査の発展とともによ

    異常蛋白血症に伴う末梢神経障害 Paraproteinemic neuropathy
    fromjupitor
    fromjupitor 2020/12/28
    “M蛋白血症は50歳以上の3.2%、70歳以上の5%に認める”
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