がん制圧の法則/最終回 元京大医学部教授が提言 標準がん治療はもはや時代遅れだ! 2018年7月 1日号 手術、放射線治療、抗がん剤治療という「標準がん治療」を駆使しても治癒率は6割ほどという。元京都大教授の和田洋巳医師(75)は「根本的な発想の転換が求められている」と説く。大好評連載の最終回は、明日のがん治療が"目指すべき方向"について語り尽くしてもらった。 標準がん治療は「現時点で最良と考えられているがん治療」とされている。そして、そう考えられている最大の理由は、標準がん治療は「EBM」だから、すなわち「科学的証拠に基づく医療」だから、という点に集約される(注1)。 だが、臨床の実態を見ると、がんの治癒率は今なお6割程度にすぎない。中でも、最終病期にあたる4期の患者の多くは、延命を名目とした抗がん剤治療に苦しんだ末、治療開始から1~2年で死亡してしまうというのが実情である。 みずからも