「5分間の音楽を何日もかけて作り出すのがクラシック音楽だとしたら、5分間の音楽をその5分間で生み出すのがジャズだ」。 「枠組みすらないところに、自由はありえない。真の自由は、ある秩序のなかでのみ存在しうるのだ。」 インプロヴィゼーションからなるジャズというgenreの真髄をエヴァンスはこのように語り、コンヴェンショナルなコード進行によってなるスタンダードを中心に演奏を続けた。 日曜の午後は久々に彼のDVDを取り出し、60年代半ばにイギリスのテレビのために収録された演奏に見入り、聴き入った。バンド編成は、チャック・イスラエルとポール・モチアン。曲はElsaに始まり、Come Rain Come Shineや、How My Heart Sings、Israel、Nardisといった、50年代後半から60年代前半にかけて好んで演奏した曲ばかり。 エヴァンスのこの頃の演奏がすごいのは、その瞬間瞬間