IBMが、素材としてグラフェンを使用したトランジスタで遮断周波数100GHzを達成したと発表した(IBMのプレスリリース)。「世界最速」のグラフェントランジスタとなる。研究論文はScience誌にて発表されている(論文概要)。 「遮断周波数」とは、トランジスタが電流増幅を行える上限の周波数で、これが大きいほど高い周波数で動作する。従来のトランジスタは素材にシリコンを使用していたが、近年では炭素素材をベースとした高速トランジスタの研究開発が盛んに進められており、千葉大学や東京大学なども研究を進めていた(日経Tech-Onの記事【要登録】)。 今回発表されたトランジスタは、電子移動度が高いグラフェンを素材としたもの。ゲート長は240nmと比較的大きいものの、同じゲート長のシリコントランジスタと比べて遮断周波数は2.5倍と大幅に高い。ゲート長を小さくすることでいっそうの高速化も期待できるとのこと