Photo: Takashi Mochizuki 審査員長 佐藤 卓 今回のテーマ「素」は、漢字一文字というデザイン賞のテーマとしては初めての試みであった。この言葉に含まれる深い意味を、どう解釈し物に定着させるかという新たな提案として、昨年の日本語のテーマである「奥行き」に続き投げかけさせていただいた。日本語の素晴らしさを国際コンペで海外の人にも知ってもらうこと、そして国内においても日本語自体が優れたデザイン要素を含んでいることを再認識する機会にならないか。コンペという場自体を開催者、審査委員、参加者、そして発表を見る人全員で、発見の場にしていくという試みである。言葉をどのように解釈するかは、それぞれの「人」が問われることでもある。最終的には、さまざまな解釈の作品が集まったことが素晴らしい成果だったと思う。グランプリをはじめ賞に入った作品を見ていくと、テーマというものは、ひとつの考えるため