罪刑法定主義に基づき、犯罪行為に対する罰則である刑罰を重く規定することを厳罰化という。人々は、厳罰化されると、法を犯すことに対するリスクが大きくなるために、犯罪を選択をするのを思いとどまり、犯罪抑止効果があると言われることがある。そこには、人間は利得を増やし、リスクを少なくするために合理的に選択して行動するという考えが隠されている。 「厳罰化は犯罪抑止効果がある。」という命題は、基本的には社会学の合理的選択理論に基づいており、理論的根拠はある。これは経済学における経済行動原理と同一である。厳罰化は合理的選択理論の刑事政策への実践的応用である。 このように人間科学の理論が刑事政策に応用されるわけであるが、その実証的根拠についてはどうだろうか? 罰則を強化することで、人間の行動に影響を与えるという社会心理学的な小さな実験は可能だと思われるし、行われている。日常場面では、勉強をしなければお小遣い