私たちはいま、視野を広げてみなければならないところに来ています。人文系の学問にたいして国から予算が出ないという問題を解決するためには、人文知が世の中の役に立つということを認めてもらわなければならない。けれども、そう考えはじめると、このことを文科省の方たちにたいして主張しさえすればことが済むというのではなく、問題の核はもっと根深いところに潜んでいるのだということが見えてきます。冷静にものごとを眺めたあとでイデーを思うさまたけり狂わせるというのが、哲学の醍醐味です。今日は、想像力を少しだけ羽ばたかせてみましょう! まずは、現状を別の角度から確認させてください。いま、人文系の学問にたいする信頼が、社会全体のなかでどんどん失われていっています。たとえば、大学の外では、思想や文学の存在感がかぎりなく薄くなっているという事実がある。おそらく、大学の予算にかんする今回のニュースはたんに、いまの時代を表す
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