2011年に公開された『探偵はBARにいる』は、東直己原作の小説『ススキノ探偵シリーズ』の映画化作品だ。札幌市のススキノといえば路面電車。現在公開中の映画第2作では、路面電車内でのアクションシーンもあるという。では、第1作では路面電車はどう描かれているのか……、と思ったら、物語の重要なポイントはむしろ函館本線の電車にあった。 謎の女からの依頼は料金先払い、生命の危険あり 札幌、ススキノのBAR「ケラーオオハタ」を事務所代わりにする常連の探偵(大泉洋)に、「コンドウキョウコ」という女性から電話がかかってくる。探偵の口座には、すでに同じ名義で10万円が振り込まれていた。依頼は、「ある人物を訪ねて、ひとつ質問する」という簡単な内容だ。ところが、その行動がきっかけとなって、探偵は半殺しの目にあってしまう。 コンドウキョウコは理由を明かさないまま、すでに次の依頼料を振り込んでいた。探偵は断ろうとする