オリンパスの粉飾事件に絡み、7月6日、金融庁は監査を担当していたあずさ監査法人と新日本監査法人に業務改善命令を下した。 オリンパス問題を受け、金融庁は今年5月から、企業会計審議会の監査部会を約1年振りに再開、『会計不正等に対応した監査基準の検討』を開始している。ここ数年、上場会社による循環取引を原因とした粉飾が多発していたところへ、オリンパス問題が重なったことが金融庁の背中を押した形だ。 粉飾を見逃した会計士は罪に問われるか 会計士が行う企業会計の監査ルールは、監査人が遵守すべき『監査基準』、それを補足する『監査実施基準』と『監査報告基準』を金融庁が定め、実務指針は公認会計士協会が出す『監査基準委員会報告書』でフォローする形が長年とられてきた。 今回の監査部会の目的は、金融庁テリトリーの『監査基準』に、会計士の不正発見義務を「従来よりも踏み込んだ形」で盛り込むことにある。従来よりも踏み込ん