最寄駅は、JR山手線「日暮里駅」。 谷中霊園の桜並木を抜け、上野方面に坂道を下る。 見えてくるのは、褪せた木目に黄色い看板が映える古民家。 100年以上も親しまれている、老舗中の老舗喫茶店・カヤバ珈琲だ。 日本中、世界中の人々が訪れる、谷中のシンボル。 まずは、その歴史に触れておこう。 創業者は、榧場伊之助。 大正5年に建てられた町家を使い、昭和13年、カヤバ珈琲の全身である『カヤバ珈琲店』を創業。 以後、妻のキミさん、養女の幸子さんが70年近くお店を切り盛りすることになる。 地元に住んでいた作家、芸術家など、常連客は多数。 店員さんによると、今でも通い続けている常連客がいるそうだ。 その後、平成18年に幸子さんがご逝去され、惜しくも閉店。 シャッターが閉まった状態のまま、3年の年月が流れる。 一時は駐車場にする話が持ち上がるものの、「歴史ある建造物を失うのはもったない」との声が挙がり、N