1 2 3 エレキから素材に主役交代 新エネ巨額設備投資の実態 先行きの見えない不況のなか、かつて設備投資のドライバーだったエレクトロニクス業界はいっせいに投資を絞り込んだ。ところがこの景気下でも、半導体工場並みの規模で設備投資を推し進める“新勢力”が水面下で勢力を拡大している。『ニッポンの素材力』(東洋経済新報社刊)などの著書を持ち、半導体・設備投資分野の取材で30年以上のキャリアを持つ泉谷渉・「半導体産業新聞」特別編集委員が日本の設備投資の“新胎動”を解き明かす。 今年4月。昭和シェル石油が、宮崎県の日立製作所のプラズマパネル工場を買収、太陽電池工場に転用する検討を開始──とのニュースは大手各紙で報道され話題を呼んだ。だが、同社はこれにとどまらない別の動きを進めていることが筆者の取材で明らかになった。 九州北部地区の工業団地と欧州で、この宮崎の工場の4倍にもなる最大で100万平方