2008年9月のリーマンショックから丸1年。世界経済は戦後最悪の不況から完全に脱却していないものの、足元で底入れの動きを強めている。 患者に例えると、緊急輸血やあらゆる薬を投じた結果、生命の危機を脱し回復に向かっている状態と言える。先行き予断は許さないものの、世界経済は2010年にかけて緩やかな回復傾向が続くとみられる。 2010年は、2008年並みの成長ペースへ回帰 アジア経済も例外ではない。リーマンショック以降、先進国の需要激減による大幅な生産調整を受けて急減速を余儀なくされたが、先進国に比べ相対的に底堅い成長を維持している。 韓国、台湾、マレーシアなど輸出依存度が高い国・地域は軒並みマイナス成長に陥ったものの、中国、インド、インドネシアなどは内需が景気を下支えした。 マイナス成長に陥った国・地域も、第2四半期に入りマイナス幅が縮小しており、第4四半期にはプラス成長に転じる公算が大きい
(2008年12月10日付 英フィナンシャル・タイムズ紙) エネルギーブローカーのロバート・ローリン氏は、クリスマスが近づく1998年暮れのロンドン国際石油取引所のピリピリした雰囲気を覚えている。「完全にカオス状態だった」とローリン氏。「世界は深刻な景気後退の真っ只中、誰も石油を買おうとしなかった」 日本と並び、アジアの多くの新興国も景気後退局面に入っており、ロシアはルーブルを切り下げ、国内債務をデフォルト(債務不履行)したばかりだった。 大陸の欧州諸国は目前に迫ったユーロ導入に沸いていたが、米国と英国はその他多くの国とともに成長が減速していた。国際通貨基金(IMF)は最新の世界経済見通しで、「今の危機」に対処するためにどんな手を打つべきか、あれこれ論じていた。 ブレント原油が史上最安値をつけてから丸10年 石油市場はその答えを知っていた。「売り」である。今からちょうど10年前の
リリース、障害情報などのサービスのお知らせ
最新の人気エントリーの配信
処理を実行中です
j次のブックマーク
k前のブックマーク
lあとで読む
eコメント一覧を開く
oページを開く