井上理 日経ビジネス記者 1999年慶応義塾大学総合政策学部卒業、日経BPに入社。以来、ネット革命などIT業界やゲーム業界の動向を中心に取材。日本経済新聞への出向を経て2014年4月より日経ビジネスの電機・ITグループ この著者の記事を見る
7月29日は土用の丑の日だった。土用丑にはウナギを食べると決めて約20年。それをずっと守ってきたが、今年に限って取材が立て込んでランチの時間が取れなかった。ついに連続記録も途絶えるかと残念に思いながら、東京・秋葉原で取材を終えてトボトボと帰る道すがら、ふいに「美味しいウナギはいかがですか~」というアニメ調の女性の声が耳に飛び込んできた。 振り向くと、メイド服を着た若い女性と目が合った。そして、彼女の頭上にあったのは「すき家」の看板。吸い込まれるように入った店舗で食べた799円(税込み)の「うな丼並盛」は、ことのほか美味しく感じられた。 過酷で違法性の強い労働実態が明らかに その2日後の7月31日のことだ。すき家を傘下に持つゼンショーホールディングスは第三者委員会が調査報告書を提出したことを受けて、都内ホテルで会見を開いた。過重労働の実態が明らかになった同社は、外部の専門家に改善提言を求めて
秋山:今では米国の主要な大学には研究所があります。呼び名はいろいろありますが、やっていることはどれも似ています。ジェロントロジーを内容的に大きく分けると、個人の高齢化、そして社会の高齢化。この両方を対象にしています。 先行したのは個人の高齢化の方です。バイオメディカルの分野で、いかに寿命を伸ばすかが長年研究されてきました。20世紀後半に、日本の場合は平均寿命が30年も伸びました。同時に出生率が低下して少子高齢化になりました。社会の中に高齢者が占める割合が高くなるといろいろな社会問題が起きてきます。あらゆるインフラが、人口の年齢構成がピラミッド型だった時代のものなので、社会ニーズに対応できなくなってきて、そのあたりから個人と社会、両方の高齢化について研究するようになりました。 当初は長寿化とか、老化をいかに抑えるかばかり研究していましたが、今や日本人の平均寿命は男性は80歳、女性は87歳です
2011年5月、米国アイオワ州にある世界第3位の化学会社“Du Pont(デュポン)”の研究農場“Du Pont Pioneer(デュポン・パイオニア)”の警備班が、同州中東部の都市“Tama(タマ)”に近い試験圃場で1人の男が見つからないように地面に這いつくばって穴を掘っているのを見て疑念を抱いた。米国のトウモロコシは4~5月に種をまく。その試験圃場にまかれたトウモロコシの種は、デュポン社の主要品目の一つである高収量のハイブリッド(交配種)品種を作り出すもので、種の解析調査などされてはならない、デュポン・パイオニアにとっての最高機密だったからである。 デュポンの最高機密を狙った中国人2人が逃走 警備員の1人が男に近づくと、男はアジア系で、傍らにもう1人の同じくアジア系の相棒がいた。警備員が何をしているのかと質問すると、男はおどおどした様子で、「自分はアイオワ大学の職員で近くのホテルで開催
AKB48のメンバーが握手会の会場でノコギリを持った男に襲われて怪我をした(ニュース記事はこちら)。 第一報が届いて以来、この事件は、様々なことを考えさせてくれた。 ここでは、事件の原因や今後の対策とは別に、このできごとがもたらした波紋に注目したいと思っている。 というのも、この種の犯罪については、原因の多くを、結局のところ、犯人の内面に求めるほかにどうしようもないからだ。つまり、原因を取り除くにしても、再発を防ぐにしても、唐突に出現する通り魔的な犯行に対応することは、簡単ではないということだ。 私は、このたびの犯罪の原因が、アイドルグループの少女たちの側にあったとは思っていない。 また、握手会を運営していた企業なり担当者なりの安全管理に致命的な判断ミスがあったことが事件を誘発した、というふうにも考えていない。 この原稿は、誰かを責めたり吊しあげたりするために書き起こすものではない。そのこ
埼玉県川越市に本社を構えるイーグルバスはビッグデータ分析によって、大手バス会社が撤退した赤字路線バスを引き継ぎ利用者を増加に転じさせた。1路線全体でなく区間ごとの乗客や採算をあぶり出すことで、収益に結びつく打ち手を繰り出せるようにした。 大手バス会社が撤退した赤字路線を引き継ぎ、利用者を増やしたバス会社がある。埼玉県川越市に本社を構えるイーグルバスだ。バスにセンサーを取り付け、ビッグデータを多角的に収集。路線バス事業が抱えていた課題とその改善策をデータで徹底的に可視化し分析することで、わずか4年で乗客を前年比で増加に転じさせた。 イーグルバスは1980年創業で、観光バスや高速バスを主体に事業を展開してきた。2002年に「改正道路運送法」が施行されて、乗合バス事業の規制が緩和されると、翌年から路線バス事業に参入した。転機となったのは2006年。川越市と接する埼玉県日高市の要望から同市の路線バ
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