とても真面目な人として評価されていた人が、たった一度の過ちを犯すことに対して、世間の反応というのはとても冷たい。些細なことでも、それまで積み上げた素晴らしい振る舞いが全て打ち消され、全人格を否定されてしまったりする。 それに対して、普段あまり良い人間だと思われていない人が、気まぐれで行ったたった一つの善行に、世間の反応はしばしば過剰に暖かい。そんな些細な善行は、普通の人ならしばしば行っているというようなことでも、普段のイメージが悪すぎる人間が行うと、そのギャップもあいまって、「あの人は本当はいい人なんだよ」と勝手に良いイメージに修正してもらえたりする。 本来の勤務時間外、夜間や休日などに患者さんの家族から病状説明を求められたり、普段自分が診ている患者さんが救急外来を受診した際に呼び出されたりすることに対して、同じ応じるにしても、それを当然のこととして行うのと、特別なこととして行うのでは印象