地方の中核病院に勤務していたころのこと。その病院は基本的には外来は午前中のみで、午後は急患のみ受け付けるようになっていた。救急専門の医師なんていないので、午後の急患当番を曜日ごとに決めていた。医師は不足気味であったので、午前外来・午後急患当番なんて曜日もあり、大物が飛び込んでくると入院患者さんを診る暇もなかった。 とある午後、20歳男性の頭痛の患者さんが来たと外来から連絡があった。なんでも、当日の午前中に別の医院に受診して薬も処方されたが、検査希望とのこと。紹介状なし。これがたとえば心肺停止であったら、とにかく今やっている仕事は全部中断して駆けつけるのであるが、急患ではなさそう。受け付けた以上は診ないわけにもいかないし、とりあえず仕事が一段落するまで待ってもらえと伝えた。30〜40分ぐらいしたら今度は脳外科の先生から、「頭部CTを撮ったけれども異常なし。内科的疾患だと思う。よろしく」と連絡