非正社員をあわれんでいた時期は終わり、これからは正社員のクビが飛ぶ、と来週発売の週刊ダイヤモンドは危機感をあおっている。関連産業の裾野の広い輸出産業の減産が下請けや地元企業などに及ぶ「負の乗数効果」が予想以上に大きく、3月の倒産件数は1537件と、6年ぶりに1500件を上回った。 「派遣切り」は3月末で一段落し、これからは正社員の雇用調整が本格化する。労働保持に補助金を出す「雇用調整助成金」の支給対象は、昨年2月にはわずか1269人だったが、今年3月には238万人と2000倍になった。これが失業予備軍だとすると、失業者数は過去最悪の350万人を超えるおそれが強い。この時期に日雇い派遣を禁止するのは非常識だ。改正労働者派遣法の実施は延期すべきである。 失業保険や生活保護は、セーフティネットとしてきわめて不十分だ。重要なのは所得の再分配ではなく、転職の機会を広げることである。しかし日本の労