この不況で問われているのは、日本人の働き方だと思う。日本企業が戦後の一時期、成功を収めた一つの原因は、農村共同体が解体したあと、その行動様式を会社に持ち込んでコミュニティを再構築したことにある。その労働倫理の原型は明治期より古く、江戸時代に市場経済が農村に浸透してきたころに始まるといわれる。速水融氏は、これを産業革命(industrial revolution)をもじって勤勉革命(industrious revolution)とよんだ。 イギリスの産業革命では、市場経済によって農村が工業化され、資本集約的な産業が発達したのに対して、日本では同じころ逆に市場が農村に取り込まれ、品質の高い農産物をつくる労働集約的な農業が発達した。二毛作や棚田のように限られた農地で最大限に収量を上げる技術が発達し、長時間労働が日常化した。そのエネルギーになったのは、農村の中で時間と空間を共有し、家族や同胞のた
今から、長島・大野法律事務所が常松簗瀬関根法律事務所と合併して現在の長島・大野・常松法律事務所となる以前の歴史をなるべくいわば立体的に書いてみようと思います。 長島・大野法律事務所の創立は1961年1月1日で、いまから38年余り前でした。 その時の事務所は、銀座のデパート松屋のそばの東京中小企業会館というビルの中にありました。(このビルは今でもあります。)では、何故表題を“銀座から紀尾井町まで”にしないで、“蠣殻町から紀尾井町まで”にしたのか、その訳から話しましょう。 いま言いました1961年1月1日という日は、長島・大野法律事務所がパートナーシップとして発足した日であって、実際にはその創立パートナーの大野さん、福井さん、私とそれに先輩弁護士の所沢道夫(しょざわ・みちお)さんの四人は、所沢道夫法律事務所という個人事務所の形で、それ以前から一緒に仕事をしていたのです。従って新たにパートナーシ
さて、当時の所沢法律事務所は、仕事の上で外国とも英語とも全く無縁であったことは、前に何回も書いた通りですから、いかに受験者が多くなかったとはいえ、私がどうして英語のみによる筆記、口頭試験に合格したのか、と不思議に思われるかも知れません。(筆記試験は、法曹人口に関する小論文を1~2時間で書くことでした。口頭試問は、前回に書いたように、服部、田辺両判事とスタンフォードのハールバート教授、AMRのラビノウィッツ弁護士の4人が試験委員で、筆記試験で書いた小論文などについていろいろ聞かれました。)私自身も、合格は到底無理だろうと考えていたのですから、合格通知を受けて随分驚きました。英語についての合格理由を強いて言えば、その3年程前から、仕事の暇を見て割合熱心に英語(といっても主に会話)を勉強していたのが、良かったのだろうと思います。少なくとも、それをしていなければ、絶対に合格しなかったはずです。仕事
2009年04月29日19:15 カテゴリCulture 日本に留まりたかったら、一度は留学しておくべき よくぞ言って下さいました。 On Off and Beyond: 海外で勉強して働こう これまでずっとなるべく言わないようにしていたのだが、もう平たく/明快に言うことにしました。 日本はもう立ち直れないと思う。 だから、 海外で勉強してそのまま海外で働く道を真剣に考えてみて欲しい。 はてブやコメントやTBを見ると、「日本はもう立ち直れないと思う」に引っかかっている人が多いみたいだけど、現実は実はもっと厳しい。どう厳しいかというと、「海外を知らないと日本に留まる資格もない」になりつつあるということ。 以前にも書いたような気がするのだけど、私自身、海外体験がなければ「日本でやっていける」という自身は持てなかっただろう。そして私のまわりをみて、「この人は大丈夫」という人は、ほぼ一人残らず海外
ついひと月ほど前、転職活動をする中でさまざまなところを訪問し、さまざまな人たちとお話をさせて頂く機会があった。その中で特に印象に残ったのは、とあるベンチャーキャピタル(VC)にお勤めの方のお話しだった。名前を仮にAさんとしておく。Aさんは、職業柄さまざまなベンチャー企業の人たちとお会いする。特に社長と会う。その上で、彼らの会社が今後成長していくかどうかを見極めていくのだけれど、その際の評価基準となるのは、一も二もなく「社長そのもの」なのだということだった。こう言ってしまっては何だが、事業内容や設立趣意などはあんまり見ないのだそうである。感覚でいうと八割から九割が社長で判断するらしい。Aさんが言うには、社長は会社の顔であると同時に、会社の性格でもあるという。社長の性格が、会社の性格にもそのまま反映されるからなのだそうだ。大企業ではそういうことはないのだが、中小企業、特に新興のベンチャーにおい
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