紙面を制作するうえで欠かせない要素のひとつ、フォント。iPadやiPhoneが登場したことで、ディスプレイ上でも読みやすさが求められるなどフォントへのニーズは広がりをみせている。ここでは個性豊かなフォントや、定額で利用できるフォントサービスなど制作現場で活躍してくれるツールを紹介しよう。 千社札、寄席、歌舞伎、相撲など、日本の伝統的文化の端々には江戸文字と呼ばれる肉太の図案文字が使われてきた。その江戸文字のひとつである千社文字をベースに、現代的な感性でオリジナルに制作されたフォントが「京千社」だ。墨溜りや打ち込み、はらいにいきいきとした筆の余韻を残し、見る人に洗練された印象を与えてくれる。また、もともと太筆書きである千社文字を、これまで誰も試みなかった細筆から太筆まで6段階(R・M・DB・B・H・U)のウェイトに展開。ウェイトごとに異なった豊かな表情をもち、個性的なフォント表現に威力を発揮