2018年に入ってマンション市場も、一見「適温」状態が続いている。新築マンションの値上がり傾向は継続している。都心の土地価格はいまだにジワジワと上がり続けている。建築費も下がらない。だから売り出し価格は徐々に上がっている。しかし、実際にそんな価格ではなかなか売れない。だから建物が完成しても販売が続く。結果的に値引きを余儀なくされる。それでもなかなか売れない。完成在庫ばかりが増えていく。 ただし、そういう状況の変化は普通の人にはわかりにくい。だから、表面に出てくる売り出し価格を見て「マンションの値上がりは続いている」と思われてしまう。 中古市場でも、状況は似たり寄ったりだ。ある都心のタワーマンションは、建物が完成してから半年以上が経過している。レインズに出ている売り出し住戸は88物件。この1年の成約数は9物件。1カ月に1住戸程度しか売れていない計算になる。成約している9物件は、88件の売り出