熱海における裏観光で見逃してはならないのは、中央町の遊郭建築だけではない。いくら斜陽だのゴーストタウンだの言われても、なにせ日本を代表する大温泉街だけの事はあって、怪しい街並みを残す場所がぎっしり詰まっている場所がある。それが熱海銀座商店街にも近い海岸沿いに広がる「渚町」の一帯だ。 熱海銀座商店街を通り過ぎて国道135号海岸通りを渡った先が渚町である。この一帯は中央町の赤線地帯が売防法施行で表向きには無くなった後も熱海で一番の夜の街という役割に徹してきた。南北に長い渚町の区画の中央を走る商店街の両側に、これ見よがしな街並みが広がっている。 早速いかがわしい佇まいのビルが現れた。4階建ての古い雑居ビルには旧時代的な居酒屋やスナックに混じってソッチ系のお店がお下品な看板を掲げている。しかし、近年の熱海は大型観光ホテルに客が吸い込まれて、こんな界隈をそぞろ歩く観光客も少ない。 いかがわしい店に混