世界的な建築家として知られる黒川紀章(きしょう)氏(2007年死去)が設立した「黒川紀章建築都市設計事務所」(東京)が15日、東京地裁に民事再生法の適用を申請したと発表した。 負債総額は約12億円。東証1部上場の建設コンサルタント「日本工営」(東京都千代田区)の支援を受けて再生を目指す。 同設計事務所は1968年に設立され、現在は長男の未来夫(みきお)氏が代表を務めている。近年は、受注案件が減るなどして経営が悪化していたという。事業や従業員(14人)は日本工営が引き継ぐ。 黒川紀章氏は、国立新美術館(東京都港区)や国立民族学博物館(大阪府吹田市)などのほか、海外では、クアラルンプール新国際空港やファン・ゴッホ美術館新館(オランダ)などの建築も手がけた。フランス建築アカデミーのゴールドメダルなど数多くの賞を受賞し、国内外で高い評価を受けた。