いつからコーヒーを飲むようになったのか、よく覚えていない。 大学の研究室に配属されてしばらく経ったころだろうか。当時、私のデスクには青白いコーヒーのビンが置かれていた。ネスカフェの香味焙煎だった。研究に行き詰まると、私はカフェインの力を借りた。生協で買った紙コップに粉末をわずかに入れ、ポットからお湯をそそぐ。スティックタイプの砂糖を半分だけ混ぜ入れる。一口飲み、二口飲み、息を吐く。 良い解法が思いつくときもあったし、まったくダメなときもあった。しかし、幸せな時間であったことは確かだ。 大学を修了する少し前にハンドドリップを始めた。それまではインスタントばかりを飲んでいたが、もう少しこだわりたかった。 ハンドドリップはコーヒーをいれる手法の1つだ。ドリッパーという漏斗にペーパーフィルターをセットし、その上からコーヒーの粉を入れる。ゆっくりとお湯を注ぎ入れれば、おいしいコーヒーができあがる。単
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