名探偵といえばシャーロック・ホームズ。鹿撃帽にインヴァネス・ケイプをまとい、パイプをくわえたその姿は有名ですが、この推理小説シャーロック・ホームズ・シリーズを愛読するあまり、学問として研究してしまう「シャーロキアン」と呼ばれる人たちがいるのをご存知でしょうか?たかが推理小説と侮ってはいけません。英国だけでなく世界中でホームズを肴に「ゲーム」(知的遊戯)を楽しむシャーロキアンの世界をご紹介しましょう。(清水健) シャーロック・ホームズとは? シャーロック・ホームズが活躍する冒険譚は、1887年に発表された「緋色の研究」から1927年の「ショスコム荘」まで、40年にわたり60編(4つの長編と56の短編)が刊行されています。最初の2作「緋色の研究」と「四つの署名」を除く、58作すべてが月刊誌「ストランド・マガジン」に掲載されました。事件の舞台はヴィクトリア女王の大英帝国が最盛期を迎え、それゆえに