医薬品の卸売会社の社長が一念発起して断熱効果のある塗料を開発。温暖化抑制の一助になると、猛暑の国々が導入に意欲を示している。シンガポールでは施工実績を伸ばしており、電気自動車への応用も探る。 社員がわずか4人しかいない企業が国内だけでなく海外からも熱い視線を浴びている。塗料の販売と施工を手がけるフミン(福島市)だ。 注目を集める理由は、右下の写真が雄弁に物語る。八木澤勝夫社長の前にある箱形の装置は、ガラスの前に設置された2枚の黒い鉄板の温度を測定するもの。装置の内部に据えつけられた赤外線ライトでガラス越しに鉄板を照射する。そして、装置の上に設置したデジタル温度計で鉄板の温度を測る。 温度計の測定値が異なる理由 ここで2つのデジタル温度計に表示された測定値をご覧いただきたい。左側は「49.8度」に対して右側は「70.2度」。約20度もの差があるのに気づかれるだろう。ガラス越しに鉄板を照射する