”最後の世界選手権個人TT”、そう自ら宣言したサー・ブラッドリー・ウィギンスが激戦となった個人TTで抜群の走りを披露、苦難の続いた今シーズンの鬱憤を吹き飛ばす快心の走りで3年連続個人TT世界チャンピオンのトニー・マルティン(ドイツ)を撃破、オリンピック個人TT金メダルに続き世界選手権でも金メダルを獲得した。唯一平均時速50km以上を叩き出したウィギンス、最強の称号を一発勝負で手に入れてみせた。 選手生活最後の2年をトラック競技に捧げると語る34才の元ツール覇者は、クリス・フルームとの確執が表面化した後はその言動から悪役視されることが多く、チーム内でも十分な支持を得られずにツール・ド・フランスの出場もできなかった。それでも今シーズンは腐ることなく、当初口にしていた通りトラック競技などに出場するなどして、コンディション作りをしてきた男はスペインの地で躍動、狙い通りの勝利を掴みとってみせた。