若すぎる終わりの時、29歳にして現役引退を決めたアンディ・シュレク(トレック・ファクトリーレーシング)の表情には寂しさと共に安堵感が垣間見えた。その反面、膝の怪我の状況が芳しくないためとした引退理由、言い訳にも似たその言葉の裏にある複雑な思いと苛立ちも時として感じられ、完全には納得仕切れていない揺れ動く気持ちも感じられた。短すぎた栄光、残念だ。 そもそも全ての歯車が狂ったきっかけはドーピング問題だった。しかもそれは本人ではなく周囲の人間のドーピング問題に、結果として翻弄されることとなった。まずは最大ライバルだったアルベルト・コンタドール(ティンコフ・サクソ)がドーピングによりツール・ド・フランスの優勝が剥奪され、それにより繰り上がりで優勝者となったことが、そうでなくともガラスの精神と呼ばれたアンディのメンタルに大きな影響を与えた。ジロとツールで総合2位を獲得し、あと一歩手が届かなかった総
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