12月20日、2020年度の税制改正大綱が閣議決定されました。大綱はデフレ脱却と経済再生に力点を置き、企業の現預金を投資に回し、経済を活性化する制度などを盛り込んだ内容です。法人税では大企業の過度な節税対策にメスを入れるため、租税特別措置の適用要件を厳格化しました。所得税では未婚のひとり親への税制優遇の決着をつけました。閣議決定に先駆け、大学教授や弁護士らでつくる「民間税制調査会」は12月15日、東京都内で税制改正大綱案の問題点を検証する検討会を開きました。発言の一部を紹介します。(ライター・国分瑠衣子) ●ソフトバンクグループの節税策にメス 12月15日まで青山学院大学長を務め、「税のタブー」などの著書がある法学者の三木義一氏が問題視したのが、政府主催の「桜を見る会」の一連の問題です。「政府与党は国民の税金を預かって、公正に運営する責務があります。政治的にも税金が公正に使われているという