海上自衛隊のイージス艦「あたご」と漁船清徳丸が昨年2月、千葉県房総半島沖で衝突し、漁船の2人が死亡した事故の海難審判の裁決が22日、横浜地方海難審判所であった。織戸孝治審判長は事故の主因を「あたご側の監視不十分」と認定、あたごが所属していた旧第63護衛隊(組織改編)に安全教育を徹底するよう勧告した。 自衛隊組織への勧告は、88年に起きた潜水艦「なだしお」と釣り船第1富士丸の衝突事故での横浜地方海難審判庁の裁決以来2例目。ただ、なだしおの場合、二審の高等海難審判庁では「改善措置がとられた」として勧告が見送られている。 今回の事故で、刑事裁判の被告にあたる「指定海難関係人」として過失を問われたのは、旧第63護衛隊のほか、衝突前の当直士官で航海長だった後瀉(うしろがた)桂太郎3等海佐(36)▽衝突時の当直士官で水雷長だった長岩友久3佐(35)▽艦長だった舩渡(ふなと)健1佐(53)▽当直士官