──不登校、ひきこもり、フリーター、ホームレス、メンヘル、非モテ、自傷行為、イジメ、自殺──雨宮処凛の出世作『生きさせろ!難民化する若者たち』では、フリーターという現象を軸に、様々な人へのインタビューを行い、これらの事象をぶっ通しで考えろと促した。これが2007年。労働問題をベア闘争でも待遇の問題でもない、生存問題として捉えたところが、もっとも画期的だった。それも、「かわいそうな人」とすらみなされない立場──「自己責任」を負うべきとみなされた立場、やや古めの言葉で言えば「自業自得」とみなされた立場―から考えたことが特筆すべきことだった。 この点を、どうか、この(拙い)文章を読んでくださる方々には心に留めてほしいと思う。フリーターが「非正規雇用」という言葉に置き換わり、この事態に対し社会的な責任を担わせ、不十分でありながらも法律をも変えようとしている、2010年の、この時期において。 という