『1日外出録ハンチョウ』(週刊ヤングマガジン)という漫画が好きで、欠かさず愛読している。地下の強制労働施設(通称「地下」)で働く多重債務者の男「大槻班長」が、たまの気分転換として「一日外出券」を行使し、知らない街で束の間のシャバを満喫する物語だ。一度に与えられる外出タイムはきっちり24時間。わずかな時間だからこそ、大槻(以下、班長)は一食たりともおざなりにせず、嗅覚を研ぎ澄ませて店を吟味し、真摯にメニューと向き合う。結果、高確率で当たりの店を引き当て、美食にありつくのである。 借金のカタに地下落ちするのは勘弁だが、この「知らない街で一日外出」というのは、じつに楽しそうな遊びだと思う。班長のように一期一会の態度で街と向き合えば、普段なら見過ごしてしまいそうな魅力や楽しさにも気づけるかもしれない。 そこで、班長にならい「知らない街で一日外出ごっこ」をやってみることにした。 というわけで、地下で