球を幾つかのパーツに分解して、再び組み立て直すことによって、同じ大きさの球を2個作ることができる。 これは「バナッハ・タルスキーの定理」と呼ばれている命題です。 あまりにも馬鹿げた内容にパラドックスと呼ばれることも多いのですが、 ちゃんと数学的な証明もあって、(一部の人たちには)正しいと信じられている「定理」なのです。 2個に増やす組み替えは、3次元の球で初めて可能になることで、2次元の円だとできません。 雰囲気をつかむために、先に円の話を見ておくと良いでしょう。 * 隙間だらけの円 >> d:id:rikunora:20091018 なぜ円だと不可能で、球だと可能になるのか。 その秘密は、元を正せば3次元空間の回転操作にあるのです。 前の記事の円の場合には、円周上の一点を、回転して別の点に移動する操作を考えました。 同じように、今度は3次元の球面上の一点を、回転して別の点に移動する操作を
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