生活保護の受給世帯数が過去最高水準となっています。近年、非正規雇用の増大などに伴うワーキングプアの増加などから、低所得者は拡大傾向にあります。加えて、家族の介護等で離職する人も発生しています。その結果、生活保護の申請が高止まりしています。生活保護受給者にとって、健康の維持や、病気になったときの医療へのアクセスは、大きな関心事となるでしょう。一方、生活保護による医療は、過剰診療につながりやすいとの課題も指摘されています。 まず、生活保護受給の実態をみていくことにしましょう。 1|高齢者世帯を中心に生活保護世帯は増加しています 生活保護は、社会経済情勢に連動するといわれます。生活保護受給者数は、2008年の世界金融危機の時期に急増し、2014年度にピークとなりました。2018年度は12月までの平均で、213万人と高水準で推移しています。生活保護世帯数も増加し、2017年度には164万世帯と過去