ブックマーク / jbpress.ismedia.jp (44)

  • 日本化の兆し:行き詰まった英国社会

    (英エコノミスト誌 2012年12月8日号) 英国は大して変化のない国になった。 変化のない国になった英国の未来は・・・(写真はロンドン市内)〔AFPBB News〕 イギリス英語には、「どうしてる?」と聞かれた時に答える決まり文句がある。「別に変わりないよ(nothing much)」というものだ。 これは、面白くなりそうな会話を終わらせる方法であるか、それを生きる人にとってさえ変わり映えしないように見える人生のとっさの評価であるか、どちらかだ。 この言葉に慣れている英国人にとっても、困惑する外国人にとっても同じように難しいのは、どちらの意味が当てはまるのかを知ることだ。 現在の議会が中間点に差しかかった時点で、英国では何が起きているのだろうか? ある意味では、別に変わりがない。経済面では、一部の生物学者が進化の跳躍の間に横たわる長たらしく退屈な期間と呼ぶ静止状態にある。 誌(英エコノ

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    funiuni 2012/12/12
  • 格差と世界経済:真の進歩主義

    (英エコノミスト誌 2012年10月13日号) 経済成長を妨げることなく格差問題に取り組むには、急進的な中道という新しい形の政治が必要だ。 19世紀末までに、第1次グローバル化の時代といくつもの発明が世界経済を一変させた。しかし、この「金ぴか時代」は周知の通り、不平等な時代でもあり、米国では「泥棒男爵」、欧州ではテレビドラマ「ダウントン・アビー」に描かれた階級が巨万の富を得た。「誇示的消費」という概念は1899年に生まれたものだ。 貧富の格差の拡大(と社会主義革命の脅威)は、セオドア・ルーズベルトの反トラスト法からロイド・ジョージの人民予算に至るまで、一連の改革の波を呼んだ。各国政府は競争を促進し、累進課税を導入し、社会的セーフティネット(安全網)の最初の糸を織った。 米国で新たな「進歩主義時代」と呼ばれるこの時代が掲げる目的は、起業家の活力を損なうことなく、公平な社会を実現することだった

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    funiuni 2012/10/15
  • ユーロ危機:形勢一変か?

    (英エコノミスト誌 2012年9月15日号) ユーロ圏の指導者たちは難しい局面を乗り越えた。この先どこへ向かうのかは、まだはっきりしない。 歴史書がユーロ危機の進展の跡をたどる時、2012年9月が新たな章の始まりとなるだろう。ここ数日間、漸進的なことで有名な欧州の政策決定機関が断固たる動きを見せてきた。 ドイツの憲法裁判所は9月12日、ユーロ圏の恒久的な救済基金である欧州安定メカニズム(ESM)に合憲の判断を下し、ESM発足の最後の大きな障害が取り除かれた。 欧州委員会は同じ日、銀行同盟に向けた第一歩となる欧州の共同銀行監督体制の青写真を提示した。欧州中央銀行(ECB)はその数日前、一定の条件下で、問題を抱えるユーロ圏諸国の国債を無制限に買い取ると発表した。 これらの措置を総合すると、大きな変化となる。最善の場合、これでより持続可能な通貨同盟の基礎が築かれる。ユーロ圏には今、銀行監督のため

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    funiuni 2012/09/21
  • 大停電が光を当てたインドの弱点

    (2012年8月2日付 英フィナンシャル・タイムズ紙) 不動産開発業を営む32歳のジャイビル・シンさんは7月31日、照明が消え、デスクトップパソコンの予備電池がピーピー鳴り始めた時、ニューデリー近郊に位置する、近代的な高層ビルと高層マンションが集まる街グルガオンの事務所にいた。 それから数分以内に、照明とパソコン画面はチカチカ点滅して復活した。事務所が入居しているビル――北インド最大の医学研究所も入っている――の大型ディーゼル発電機が稼働したのだ。この日の停電は、インドの「ミレニアムシティー*1」の営業日を中断させる、よくある停電のように思えた。 停電に慣れっこのインド人にとっても衝撃 「平均すると、1日に1回か2回、電気が止まります」とシンさんは話す。「夏場のピークには、大体10時間から14時間はバックアップ電源で動いている。この地域のほとんどの主要産業は既にこのような停電に対する備えを

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    funiuni 2012/08/03
  • トヨタに学んだ米アマゾンの経営 ベゾス流の非情なプラグマティズム

    カスタマーサービスに連絡してくる消費者の身になって考えたいという企業もあれば、そういうことに疎い企業もあるが、ジェフ・ベゾス氏は、消費者からの電話にどう対応するかが問題ではないと言う。 「カスタマーサービスをやっている時点でもう遅すぎる」。アマゾン・ドットコムの創業者であるベゾス氏は昨年、ニューヨークで行った講演でこう語った。 「最高のカスタマーサービスとは、顧客が電話をしなくて済むようにすること、連絡なんか取らなくても済むようにすることだ。とにかく、それでうまくいく」 例えば、アマゾンがミスをして、傷の付いた商品が消費者の手元に届いてしまったら、同社は代わりの商品を発送しておしまいにするのではなく、ミスが生じた根的な原因の修正に乗り出す。同社は過去17年間、このプロセスによって苦情の電話がかかってくる注文の比率を着実に引き下げてきた。 このアプローチは、ベゾス氏が同社に浸透させてきた仕

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    funiuni 2012/07/11
  • インドの減速:さらば、素晴らしきインド

    (英エコノミスト誌 2012年6月9日号) 指導者を欠いたアジアの大国は、低成長期に向かう運命にある。その人的損失は莫大なものになるだろう。 世界経済が今ほど問題を抱えていると、インドの成長率が5.3%に低下したというニュースなど、さほど重大と思えないかもしれない。だが、この数字は過去7年間で最も低く、インドの経済的奇跡の失速に伴う社会的代償はユーロ圏の痛みを上回りかねない。 2004~08年にインドが享受してきた2ケタ近いペースの成長は、もし持続されていたら、何億ものインド人を貧困から脱出させられたはずだ――それも迅速に。 また、今後数十年で労働年齢に達するすべての若者のために雇用が創出されていただろう。この層は、世界最大級かつ極めて大きな脅威となる可能性をはらんだ人口統計上の突起部分だ。 ところが今、ルピーが急落し、民間投資が枯渇し、上記のようなGDP統計が出た後には、奇跡は幻想のよう

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    funiuni 2012/06/14
  • 肥満の子供を作ってしまう親の一言 食事の心理学~郷に入っても郷に従わず(その4) | JBpress (ジェイビープレス)

    MRIC by 医療ガバナンス学会 発行 前回のコラムで、人工甘味料と肥満や糖尿病の関係は、体の生理的反応と人間の行動的、心理的な要素が関与していることをお伝えしました。そこで今回は、『べる』という行動が起こるまでの心理的な状況を、さらに深く考えたいと思います。 例えば、みなさんが5人のお友達とレストランに行くことを想像してみてください。おそらく、5人とも違うメニューを選ぶことが多いと思います。 私は和風パスタとチーズケーキを選んだのに、あなたはサラダにステーキを選んだ理由、それはなぜでしょうか。けっこう深い理由があるのです。 (1)嗜好 最近の科学雑誌に、様々な文化の異なるヨーロッパ諸国において、1600人以上の子供たちを対象に、事の嗜好と肥満の関係についての報告がありました。結果は、肥満の子供たちは、脂肪や糖分の多い事を好んだということでした。 動物実験で、欲を抑制するホルモン

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    funiuni 2012/06/11
  • 製造業:第3の産業革命が始まった

    (英エコノミスト誌 2012年4月21日号) 製造業のデジタル化は、モノの作り方を一変させ、雇用に関する政治のあり方をも変えるだろう。 最初の産業革命は、18世紀後半に英国で始まった。きっかけは繊維工業の機械化だ。それまでは何百もの織工たちの家で面倒な手作業により行われていた仕事が、1つの綿織工場にまとめられた。工場の誕生である。 第2の産業革命が起きたのは、20世紀の初めだった。ヘンリー・フォードが流れ作業の組み立てラインを完成させ、大量生産の時代の到来を告げた時のことだ。この2度の産業革命は、人々を豊かにし、都市化を促した。 そして今、第3の産業革命が進行している。製造工程がデジタル化されているのだ。誌(英エコノミスト)の今週の特集記事が論じているように、この産業革命は企業にとどまらず、それ以外の多くを変える可能性を秘めている。 いくつもの目覚ましい技術が融合し始めた。賢いソフトウエ

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    funiuni 2012/04/23
  • あなたの「恋愛砂時計」はいま何時ですか? 結婚したら確実に減り続け、いつかはゼロになる恋愛感情 | JBpress (ジェイビープレス)

    狩猟採集時代、つまり弥生時代以前の縄文時代の日人の寿命は30歳未満でした。これが平均寿命となると15歳程度だろうと人類学者は指摘しています。 歴史から見る婚姻期間 厳しい環境の中で料不足が生じていたこと、また医学の未発達のために特に幼児死亡率が非常に高かったために、平均寿命がこれほどまでに短かったのです。15歳以上生き延びた縄文人でも、その多くが30歳そこそこで亡くなっています。 人生30年と計算し、14歳で夫婦関係になったと仮定すると、15歳で初産、母乳で育てていたために、だいたい3年に1度の出産が限度ということになり、合計で2人~6人の子供を産んでいたことでしょう。 縄文時代は人口がほぼ一定だったので、生き残った子供は2人くらいと見てよいかもしれません。その後、30歳前後で夫婦ともに死んでしまう、それが我々の先祖の平均的人生だったのです。 恋愛に関していえば、夫婦関係が成立してから

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    funiuni 2012/04/04
  • 製造業:安い中国の終焉

    (英エコノミスト誌 2012年3月10日号) 急上昇する中国人の賃金は、世界の製造業にとってどんな意味があるのか? 香港からフェリーに乗り、中国を世界の工場たらしめている地域にある深センへ渡ると、「時間就是金銭、効率就是生命(時は金なり、効率は命なり)」と書かれた巨大な看板が迎えてくれる。 中国は世界最大の製造大国だ。テレビ、スマートフォン、鋼管その他、足の上に落とせるような諸々の財で、中国の生産高は2010年に米国のそれを抜いた。現在、世界の製造業の2割を中国が占めている。中国の工場は極めて大量かつ安価にモノを生産したため、多くの貿易相手国のインフレを抑制してきた。しかし、安い中国の時代は終わりに近付いているのかもしれない。 歴史的に工場が集積してきた沿岸部の省を皮切りに、コストが急騰している。地価の上昇や環境と安全性の規制強化、税率引き上げも原因の一端を担ってきた。しかし、最大の要因は

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    funiuni 2012/03/14
  • 韓国のビジネスマンは夜も猛勉強 ソウル大学の夜間コースに通ってみた | JBpress (ジェイビープレス)

    韓国のビジネスマンや官僚は朝早くから夜遅くまで当によく働く。最近は、さらに、夜は大学に通って勉強をし、併せて人脈拡大を図るのがブームだ。韓国でも最も人気の高いソウル大学の夜間コースに2011年9月から6カ月間、実際に通ってみた。 筆者が通ったのは、名称から勇ましい夜間コースだ。国立ソウル大学の自然科学学部科学技術革新最高戦略課程(SPARC)。名称の通り、自然科学を学ぶための主に経営者向けのコースだ。 仕事を終えてから自然科学を学ぶビジネスマン コースは半年間で、秋学期は9月から翌年2月まで。年末年始、旧正月などの休暇があり、実際の講義は13週間だ。毎週火曜日の午後6時半から90分の講義が2コマあり、合わせて26コマの講義を受講できる。 講義がある火曜日の午後5時半すぎになるとソウル市中心部から30分以上はかかるソウル大学キャンパス内にある自然科学学部にネクタイにスーツ姿のビジネスマンが

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    funiuni 2012/02/15
  • 新興国の多国籍企業:国家資本主義の台頭

    (英エコノミスト誌 2012年1月21日号) 新興国に広がる新種の企業は、次々と問題を引き起こすだろう。 過去15年の間に、人目を引かずにはおかない企業の社ビルが新興国の大都市の姿を一変させた。 中国中央電視台のビルは、北京のスカイラインを横切る巨大なエイリアンのようだ。クアラルンプールには、マレーシアの石油会社が入居する88階建てのペトロナスツインタワーがそびえる。モスクワの新しい金融地区の中心では、大手銀行VTBのオフィスが光り輝いている。 これらはすべて、政府の支援を受けながら民間の多国籍企業のようにふるまう、新種のハイブリッド企業の台頭を示すモニュメントだ。 国家主導の資主義という概念は、新しいものではない。東インド会社の例を見ればいい。だが、誌(英エコノミスト)の今週号の特集記事が指摘しているように、その概念は劇的な復活を遂げた。 新たな国家資主義 1990年代には、新興

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    funiuni 2012/01/23
  • 急減速するインド経済、公共投資でてこ入れへ

    (2012年1月19日付 英フィナンシャル・タイムズ紙) インドの首相官邸によると、インドは、急成長を遂げる経済の成長率低下を反転させ、2ケタ近い水準に戻すために、公的部門による総額350億ドルの投資に乗り出す。 この緊急経済対策は、インド政府内の政策の行き詰まりに対する幅広い批判と、経済成長率が9%から7%へ低下した景気情勢に対応したものだ。 国営企業17社にインフラ投資やエネルギー購入を要請 マンモハン・シン首相率いる政府は国営企業17社に対し、準備金として保有している資金を使ってインフラ計画と外国からのエネルギー購入に投資するよう命じた。 「国営企業は山のような現金を眠らせている」。ある政府高官は、インド経済に対する信頼を高め、エネルギー安全保障を促進するために、「使われていない」資源を動員する緊急性についてこう話した。 こうした動きは、国内市場に投資することに慎重な姿勢を示してきた

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    funiuni 2012/01/20
  • 「大停滞」に陥る米国経済

    (2011年12月21日付 英フィナンシャル・タイムズ紙) 未来はこれまでとは違ったものになる。現在も従来とは異なっている――。これが米ジョージ・メイソン大学のタイラー・コーエン教授の著書『The Great Stagnation(邦題:大停滞)』のテーマだ。それほど厚くはなく、憂な内容ながらも影響力のあるで、当初はインターネット上で出版されていた*1。 「米国はたやすく手に入る現代史の果実をいかにべ尽くし、いかに身体を壊したか、そして(最終的に)いかに回復するのか」という副題に、上述のテーマが集約されている。簡潔で分かりやすく、挑発的な書は売れる書籍のモデルの1つだ。 しかし、そこで展開されている議論は正しいのだろうか? もし正しいとしたら、書からは何を読み取ることができるのだろうか? もぎ取りやすい果実はとうにべ尽くしてしまった 「米国は混乱している。そして、米国経済は我々

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    funiuni 2011/12/22
  • 英国の失態よりずっと深刻なユーロ圏の失態

    (2011年12月14日付 英フィナンシャル・タイムズ紙) 滅ぼしたいと思う者がいる時、神々は彼らをまず狂わせる――。先週開催された欧州連合(EU)首脳会議の結果を聞いて、筆者が最初に思い浮かべたのはこの古い言葉だった。世間では英国のデビッド・キャメロン首相が新条約を拒否したことに着目する向きが多かった。それも無理からぬことだ。 何も成果を出せず、英国の信用を損ねたキャメロン首相 だが、英国の行動は、ユーロ圏の首脳たちが通貨同盟の病を治す確かな方法を編み出せなかったという事実から関心を逸らすことになった。彼らが代わりに持ち出してきたのは、財政規律を失った国々の締め付けを強化するというアイデアだ。良さそうに思えるかもしれないが、実際にはうまくいかないだろう。 キャメロン氏は欧州各国の首脳たちに、ロンドンの金融街シティーを守ると同時に、欧州の規制当局に概ね邪魔されずにシティーを規制する英国政府

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    funiuni 2011/12/15
  • 破産に近づくデトロイト:逃げ場なし

    ゼネラル・モーターズ(GM)とクライスラーは破産手続きを経て再生したが、今度はデトロイト市が財政危機に瀕している〔AFPBB News〕 1960年代にベリー・ゴーディのモータウン帝国が放った最初のヒット曲は「Money(That's What I Want)」だった。これは今のデトロイトのテーマ曲であっても何らおかしくない。 ミシガン州は12月6日、デトロイト市吸収に向けた最初の法的措置を取った。もし実現すれば、デトロイト市は州に吸収された全米最大の都市となる。 問題は数十年前から積み上がってきた。不動産価格の下落と、裕福な市民の郊外転出が税収を直撃する一方で、なお広大な都市の行政サービスにかかる費用は税収減に見合うほどには減らなかった。 来春には資金が枯渇 景気後退の影響は特にミシガン州では深刻で、これが危機の引き金となった。デトロイト市のデイブ・ビン市長は今、市は2012年4月に資金

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    funiuni 2011/12/14
  • ボツになった「テレビ産業壊滅の真相」記事 凋落の兆しは2004年からあった | JBpress (ジェイビープレス)

    11月に、ある大手M新聞社が出版している経済週刊誌から、「日テレビ産業壊滅」についての記事執筆を依頼された。筆者は、まず2004年および2007年にすでに壊滅の兆候があったことを指摘した。そして、その兆候から窺える根源的な問題が今日に至って何も解決されていないから、壊滅したのだと結論した。 しかし、編集委員からは「話が古すぎる」と苦言を呈され、すったもんだのやり取りがあった。筆者としては、テレビ産業界に巣う根源的な病理をえぐったわけで、それにいちゃもんをつけられるとは思わなかった。 話が新しいか古いかなんて、全く質的な問題ではない。というより、2004年にすでに壊滅の兆候があったことは、今、考えると大きな発見であり、それこそ記事に取り上げるべき大問題であるように思う。 しかし、編集委員は頑なに書き直しを要求した。結局、筆者は、全てを書き直す時間も気力も体力も喪失したため、こちらから

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    funiuni 2011/12/07
  • 次回EUサミット:迫り来る終末

    (英エコノミスト誌 2011年12月3日号) 欧州の首脳はまだ終末を回避できるが、それは彼らが大胆かつ迅速な行動に出た場合に限られる。 終わりが近づいている。欧州委員会のオリ・レーン経済担当委員は、ユーロ圏が自らを救うには、あと10日しかないと語った(12月12日になったら一体何が起きるのか?)。 ポーランドのラデク・シコルスキ外相は、ドイツの力(もしくはロシアのミサイル)よりドイツの麻痺状態の方が怖いと語った。 バラク・オバマ大統領は、ユーロ圏が米国の健全性にとって最大のリスクをもたらしていると述べた。いったんは国際通貨基金(IMF)を拒絶したユーロ圏の指導者たちは今、IMFに支援を請うている。 欧州の省庁では、誰が選ばれし者になるべきかという話題が持ち上がっている。欧州連合(EU)の加盟国27カ国なのか、もしくはユーロ圏に属する17カ国だけなのか? 17カ国さえも不可能なら、トリプルA

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    funiuni 2011/12/07
  • 多重苦に喘ぐ「世界の工場」 原材料高、賃金高騰、需要急減、信用引き締め・・・

    (2011年12月2日付 英フィナンシャル・タイムズ紙) 中国東部の都市、温州のライター工場ウィンファイアで貿易担当部長を務めるハンナ・スン氏は、経済指標など見なくても、中国の製造業が苦戦していることが分かる。 今年は海外のある大手顧客が、世界的な不確実性を理由に同社への新規発注を停止したため、このライター工場は総勢100人の従業員のうち40人を解雇せざるを得なかった。 繁忙期のはずなのに相次ぐ生産停止 「メーカーにとってはもっとひどい状況だ」とスン氏は言う。「普段なら非常に忙しい時期なのに、今年は多くの工場が生産を全面的に停止し、多くの出稼ぎ労働者が解雇されて、帰郷した」 スン氏の工場のような非常に多くの工場が、コストの上昇、労働力不足、利幅の低下、海外からの新規受注の急減によって、四方八方から経営を圧迫されている。多くの小規模メーカーは、国内での低価格製品の生産を継続困難にする政府

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    funiuni 2011/12/06
  • 英国が直面する「失われた10年」

    それは外国人のせいだ――。ジョージ・オズボーン財務相は11月29日、英国の経済と財政が軌道から大きく逸れてしまったことについて、こう弁明した。 もちろんこれは、2007年と2008年に英国経済を襲った災厄について、労働党のゴードン・ブラウン前首相・元財務相が口にした弁解と同じものだ。 オズボーン氏はこの時、ブラウン氏の弁解を馬鹿げていると切り捨てたが、オズボーン氏によるこの弁解もそうすべきなのだろうか? 自縄自縛に陥ったオズボーン財務相 ブラウン氏と同様にオズボーン氏も、世界的な出来事――特にコモディティー(商品)の価格上昇とユーロ圏の危機――を指摘した点では正しい。しかし、自らの失策を無視するのは間違っている。オズボーン氏は、自ら設定した財政の厳格な枠組みによって身動きが取れなくなっているのだ。 確かに、オズボーン氏がもっと柔軟だったら、信頼感を一層損ねることになっているかもしれないが、

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    funiuni 2011/12/01