どんなに有名な大企業であっても、始まりはちっぽけなスタートアップにすぎない。今や世界中の人に知られる存在となったNETFLIXであっても、それは同様だった。 本書は世界を熱狂させる数々のエンターテインメント作品を手がけてきた同社における、創業当時の物語である。まだストリーミング配信というものが主流ではなく、宅配DVDレンタル業を営んでいた時代が舞台だ。 彼らはDVDと倉庫とソフトウェアを組み合わせ、いかにして世界を席巻していったのか? それを元ロイター通信記者の筆者が、余すところなく記している。 スタートアップものといえば、大学を舞台にしたギーク(オタク)の成長物語を想像する人も多いかもしれないが、NETFLIXはひと味違う。彼らは初期のステージからある程度成熟しており、その組織の内側は強者のマインドに満ちていた。 それもそのはず。共同創業者のヘイスティングスとランドルフ。この2人は、すで