沖縄には八年近く暮らしたし、その食文化にも随分関心をもったし、今でもときおり琉球料理も作るということもあって、広告を見てそのままポチッと「大琉球料理帖 (高木凛)」(参照)を買った。写真がきれいだし内容も面白いのだけど、当初思っていた期待とは違った本だった。 私は何を期待していたのか? 王朝料理が知りたかった。いちおう東道盆(トゥンダーボン)とかについては、他の書物などで知っているのだが、もっと体系的に知りたいという思いがあった。アマゾンの紹介にはこうもあったし。 「食はクスイムン(薬物)」の心をいただきます。これぞ、沖縄の伝統料理! 琉球王朝時代の食医学書『御膳本草』を基に、60の食材、70の料理を再現。これまでの琉球料理への認識を新たにする、料理本の誕生。 まったくその趣向がないわけではないのだが、これは私は違うと思った。「60の食材」は本草書の項目解説ということで挙げられているのだけ