ここ20年、ネットの世界も大きく変わったが、鮨の世界も、握りの見た目はあまり変わらないものの、じわじわと変化をし続けている。あ、回転寿司のテクニカルな部分の話ではなくて、握りそのものの話ね。 15年くらい前までは、鮨=タネ(ネタ)だった。握りはタネで勝負している店がほとんどだった。 タネが新鮮で大きければ「いい鮨屋」。いいタネにみなひれ伏した。「タネ絶対君主制」と言ってもいい時代。 刺身を切って酢飯(シャリ)の上に乗せただけの店でも、タネさえ良ければちやほやされた。そんなもの刺身で食った方がうまいよ、と思うような店も多々あった。酢飯はたいがい甘めで、タネの引き立て役にちょこんといるタネ台だった。もちろん一部の高級店はそんなことはなかったが、まぁだいたいそういう流れ。 その後、ちょこっと「脂ファッショ」な時代があった。 「脂がのってるのが文句なく素晴らしいタネである」という時代。口の中でとろ