『日本懐かしジュース大全』(清水りょうこ/辰巳出版) 日本の「ジュース史」は、1853年に浦賀へペリー艦隊とともにやってきたレモネードに始まるという。黒船に検分のため乗船した幕府の役人と通訳が、炭酸入りレモネードの提供を受けたのだ。当時はコルク栓で閉められていた瓶を開けると「ポンッ!」という音がして、役人たちはひどく驚いたとか。どうやら銃声と勘違いしたらしい。この『日本懐かしジュース大全』(清水りょうこ/辰巳出版)はそんな日本の「ジュース史」ガイドに始まり、昭和から続く懐かしい「ジュース」たちをジャンルごとに写真入りで紹介している。 タイトルにもあるように、本書では「ソフトドリンク全般」を「ジュース」と称しているが、現在「ジュース」の名称は食品表示基準上「果汁100%使用の品」と定められている。しかし、著者である清水りょうこ氏のこだわりから「昭和の庶民感覚」として、「ジュース」と呼称してい