京都市は、世界遺産・二条城(中京区)を約30年ぶりに大修理する方針を決め、夏頃から寄付を呼びかける。1万円の寄付者には「一口城主」の位を贈り、入城無料などの特典がある城主手形を発行する。財政難の中、歴史ブームに乗って、事業費の半分にあたる約50億円を集める計画だ。 二条城は、徳川家康が1603年に築城。幕末に慶喜が大政奉還を発表した場としても知られ、年間約150万人の観光客が訪れる。耐震診断で、二の丸御殿(国宝)=写真、京都市提供=や東大手門(重要文化財)などが大地震で損傷する恐れがあるとされ、2011年度以降、文化庁と協議しながら補強工事をする。 寄付は少額でも受け付けるが、「一口城主」には、修理現場説明会への招待や記念品贈呈をする予定。単純に計算すると50万人の〈城主〉が必要だが、市は「二条城は、海外の観光客にも人気があり、広く協力を得られると期待している」としている。 同様の取り組み