[Noah Smith, “Why the 101 model doesn’t work for labor markets,” Noahpinion, April 14, 2017] 「経済学101(概論)」の初歩的なモデルといえば,取引される財になんのちがいもない単一市場の供給-需要モデルだ.このモデルでは労働市場はわからない.でも,そこのところがどうにもわかりかねる人たちは多い.労働政策をめぐる論争にかかわる人たちのなかには,この理論がほぼ公理のようになっている向きもある――つまり,労働市場は「労働供給曲線」と「労働需要曲線」で記述できるに決まっていると考える人たちもいる.そういう人たちに向かって,「そりゃムリですよ」と言ったりすると,先方の脳みそは故障をおこしたみたいになる.「労働需要曲線がないなんてことがありうるかね? モノの価格と,みんながそいつをどれくらい買いたがってるかって
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