ブックマーク / econ101.jp (30)

  • ジョセフ・ヒース「反自由主義的リベラリズム」(2024年7月30日)

    近年の政治環境で最も奇妙な点の1つは、はっきりとリベラルの伝統に基づいた価値観を奉じながら、そうした価値観を促進するために、明らかに反自由主義的と言いたくなるような戦略をとる人が非常に多いことだ。ソーシャル・メディアからファシストを追放したがっている「反自由主義的な進歩派の若者(YIP:young, illiberal progressives)」が、現代の共和党員のほとんどを「文字通りの意味でのファシスト」と見なしているという話は今やおなじみである。 こうした若い活動家が、自身の表明している価値観と自身のとる政治手法との間にある明白な矛盾に無頓着なことに、関わった人なら誰でも気づくだろう。傷つけられやすい多様なマイノリティを守るという大義を掲げながら、自分たちに同意しない人をキャンセルしたり罰そうとしたりするイジメのような戦術を用いることには驚くほど躊躇がない。戦術的なレベルに絞って考え

    ジョセフ・ヒース「反自由主義的リベラリズム」(2024年7月30日)
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    futab 2024/09/18
  • ジョセフ・ヒース「哲学者がキャンセルカルチャーを懸念すべき理由」(2024年1月25日)

    エントリでは、現在哲学の分野で広く実践されていると同時に、公共の場での議論の構造的変化によって脅かされている学問的実践の一部に注意を向けたい。 この数年、哲学の同業者たちが、オンライン上での流行りに飛びついて、様々な事柄について自身の考えを述べた学者を罰したり、脅そうとしているのを見て、私は驚き、失望してきた。少し上から目線に聞こえるかもしれないが、哲学者がこうした行動をとっているのに驚いていることを認めざるを得ない。ソクラテスの裁判と死を描いたプラトンの対話篇を最初に読んだとき、私は自然と、アテネの市民裁判官たちではなく、ソクラテスの側に感情移入した。哲学研究者のほとんども同じように感じるか、似たような原体験を持っているものだと思い込んでいた。だから、同業者の多くが、自身の考えを語ったことで糾弾されている哲学者(当初は男性が多かったが、最近は女性もいる)の側ではなく、市民裁判官の方をこ

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    futab 2024/06/05
  • ピーター・ターチン「人工知能はカウンター・エリートを量産し、社会を不安定化させるだろう」(2023年11月20日)

    ChatGPTをはじめとする生成AI人工知能)の目覚ましい成功は、機械の台頭が労働者にどのような影響をもたらし、最終的に我々の社会をどう変えるのかについて沸騰していた議論にさらに火をくべた。破滅派は、ロボットが人間に取って代わり、人類文明を滅ぼすだろうと予測している。楽観派は、成長に伴う苦しみは避けられないが、乗り越えれば、新たなる知的機械によって我々社会はもっと良くなるだろうと主張している。なんだかだいっても、人類は、過去の技術革命を特に悲惨な結果とせずに、うまく消化してきている。 しかし、歴史から学ぶのは、簡単ではない。AIによる革命は、我々社会に新たな予期せぬストレスをもたらすだろう。現在、技術のシフトのもたらす勝者と敗者について議論されているが、これは重要な側面を欠いている。技術シフト後に社会・政治的な混乱がどれだけ生じるかも重要だ。 この原理の極端な例として、ある特殊な労働者階

    ピーター・ターチン「人工知能はカウンター・エリートを量産し、社会を不安定化させるだろう」(2023年11月20日)
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    futab 2023/11/25
  • タイラー・コーエン 「『ゼロサム思考』と米国における政治的な分断の淵源」(2022年12月26日)

    稿では、「ゼロサム思考」という文化的・心理的な属性の原因(起源)と帰結を探る。人生をゼロサムゲームと捉える「ゼロサム思考」によると、誰かが得をすると他の誰かが損をすると見なされる。稿では、 米国で暮らしているおよそ15,000人に対して聞き取り調査を行い、各人の「ゼロサム思考度」、政治観および政策観、家系に関する膨大な量のデータを収集した。ゼロサム思考度の高さは、政府の重要性についての見方だったり、再分配政策の有用性についてだったり、移民の効果についての見方だったり、政治的な立ち位置(左派、右派)だったりと強い相関があることが見出された。さらには、各人のゼロサム思考度の高低は、その人の両親や祖父母がどんな経験をしたか――親が祖父母よりも高い地位にいけたかどうか、両親や祖父母が経済面でどのような苦労を味わったか、米国に移民としてやってきた家系かどうか、両親や祖父母が移民と交わる機会が多か

    タイラー・コーエン 「『ゼロサム思考』と米国における政治的な分断の淵源」(2022年12月26日)
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    futab 2023/05/01
  • ノア・スミス「格差は縮みつつあるのかも」(2023年1月2日)

    “Piketty’s Lecture 1” by European University Institute, CC BY-SA 2.0. そうでありますように 近頃あんまり聞かなくなった名前といえば,トマ・ピケティだ.2013年に,かのフランス人経済学者は『21世紀の資』刊行でいっきに世間の人々に知られるようになった.同書でピケティが述べた主張は,ようするにこういうものだった――「外的な要因がはたらかないかぎり――戦争や大規模な政府の行動による介入がないかぎり――資主義はおのずと格差をどんどん広げがちだよ.」 その主張を要約したのが,あの有名な “r > g” だ.この式は,簡潔でいて多くを物語っている.それは,資の利益率 (r) が経済全体の成長率 (g) を上回っていると,格差は機械的に開いていくってことだ.ピケティによれば,20世紀前半に格差が大きく開いていたものの,大恐慌と

    ノア・スミス「格差は縮みつつあるのかも」(2023年1月2日)
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    futab 2023/01/24
  • ブランコ・ミラノヴィッチ「ウクライナにおける現在の戦争の起源についての通説と真因」(2022年12月25日)

    現在の紛争の根源は、歴史的なものであり、共産主義連邦の初期設定や共産主義の発展モデルの経済的失敗に起因していることを見なければ、現在の紛争や未解決の紛争、そして今後起こりうる紛争を理解することはできないだろう。 第一の説:「民主主義と専制主義の対決」 この説が最も有力とされている。紛争を民主主義と専制主義の戦争とみなすものだ。この説は、ロシアは独裁者によって統治されている、ウクライナは選挙で民主的に選ばれた大統領によって統治されているとの事実をベースにしている。しかし、この見解は、2004年のウクライナの政権交代は不公平な選挙に対する社会的反乱の結果だった、2014年の政権交代は合法的に選出された政府に対するクーデターだった、といった多くの事実を無視している。さらに、ウクライナは、戦争前も、2014年以前も、旧ソ連邦の構成国で最も失敗した国家だった。汚職のレベルは極めて高かっただけでなく、

    ブランコ・ミラノヴィッチ「ウクライナにおける現在の戦争の起源についての通説と真因」(2022年12月25日)
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    futab 2023/01/09
  • ジョセフ・ヒース「ウォーク(正義に目覚めた一部の左派)は戦術・信条において裸の王様・女王様である:リベラリズムの皮を被った反自由主義」(2021年6月23日)

    ウォーク政治活動を理解する上で最も重要なのは、これは伝統的なタイプの「反自由主義」とは異なっており、「反自由主義的リベラリズム」の一種であると考えた方がよいということだ。 Joseph Heath: Woke tactics are as important as woke beliefs Woke language hides illiberal tactics in liberal aims Posted by Joseph Heath on June 23, 2021 ここ数年、進歩主義を装った反自由主義が世を覆いつつあったが、ついにアメリカリベラルたちは団結して行動を起こし始めた。リベラルたちは、「ウォーク」〔woke、社会問題に対して目覚めた(=wake)人々を指す〕の政治活動やイデオロギー的影響力の拡散を阻むために、いくつかの組織を創設したのである。〔ウォークと戦う〕リベラル

    ジョセフ・ヒース「ウォーク(正義に目覚めた一部の左派)は戦術・信条において裸の王様・女王様である:リベラリズムの皮を被った反自由主義」(2021年6月23日)
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    futab 2021/11/27
    “レベッカ・トゥベル”
  • ノア・スミス「みんなが待ち望んでいた授賞:カード、アングリスト、インベンスのおかげで経済学はより科学的になった」(2021年10月12日)

    Noah Smith ”The Econ Nobel we were all waiting for -Card, Angrist, and Imbens have made econ a more scientific field.-“, Noahpinion, October 12, 2021 新しい考えは全てを疑いに持ち込み、 火の元素は完全に消失し、 太陽も大地も失われ、誰の知恵をもっても どこを探すべきかは教えてくれない ジョン・ダン 2021年のノーベル経済学賞は、その実証経済学における業績によってデビッド・カード、ジョシュア・アングリスト、グイド・インベンスが受賞した。誰がノーベル経済学賞を受賞するかを予測するのにはとっても簡単なやり方がある。その分野においてまだ受賞してない最も影響力のある人たちを並べて、ミクロ理論家が2年連続で受賞することはないと仮定するんだ。最も影響力の

    ノア・スミス「みんなが待ち望んでいた授賞:カード、アングリスト、インベンスのおかげで経済学はより科学的になった」(2021年10月12日)
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    futab 2021/10/14
    “こんなに時間がかかった理由は、彼の有名な最低賃金論文の結論が経済学分野にいる多くの人にとっては受け入れがたいものだったから” “1992年の最低賃金引上げについて調べ、雇用の喪失が行らなかったことを発見”
  • ピーター・ターチン「アフガニスタンの国家崩壊と、ガニ大統領の『国造りの書』」(2021年8月15日)

    State Collapse and Nation Building in Afghanistan August 15, 2021 by Peter Turchin 日、アフガニスタン・イスラム共和国が崩壊した。アシュラフ・ガニ大統領以下、政権幹部は逃亡した。軍の一部は消え去り、一部はタリバンに鞍替えした。警官が持ち場から脱走したため、カブールでは略奪が行われているとの報がある。これは古典的な国家崩壊だが、空白がタリバンによってすぐ十分に埋められるのは明らかだ。報道によると、彼らは数日内にカブールの大統領宮殿で自分たちの国家を宣言する予定だという。 この事態にはいくつもの皮肉が含まれているが、私個人にとっては主にアシュラフ・ガニが国家崩壊と国造りを研究する学者としてキャリアを始めた点がそれに相当する。2008年、私はネイチャー誌で、ガニとクレア・ロックハートが書いた『失敗国家の直し方』

    ピーター・ターチン「アフガニスタンの国家崩壊と、ガニ大統領の『国造りの書』」(2021年8月15日)
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    futab 2021/08/25
  • ジョセフ・ヒース「文字通りの意味でのファシスト」(2016年3月1日)

    Fascist in the literal sense of the term Posted by Joseph Heath on March 1, 2016 何年か前のトロント市議選の際だが、何者かが、市内のあちこちの新聞受けや電信柱に「警官が市長を選ぼう!」と書かれたステッカーを貼り回っていた。そのステッカーを見て、私が思ったのが「わぁ、こりゃ、マジもんのファシストだ。単なる比喩的や表現や、誤用・乱用なんかじゃない。文字通りのファシストじゃないか」だった。(ステッカーを見たのは、ロブ・フォードが市長に当選した時の選挙だった思うが、ちょっと自信がない) むろんここで問題になっているのは、「ファシズム」が、(特に60年代に)政治用語として大々的に誤用・乱用され、効力を完全に失ってしまっていることにある。私たちは、人がやりたくないことをやらされているように見えた時、それを「ファシスト」と呼

    ジョセフ・ヒース「文字通りの意味でのファシスト」(2016年3月1日)
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    futab 2021/02/20
    アマプラ無料によく登場するその映画(「13時間」)は、エンタメとしては結構な佳作でした。現地敵兵はあまり同じ人類とは思わずに、米国人主観で2時間潰すには最適な作品。
  • ノア・スミス「2020年代のテクノ楽観論」(2020年12月4日)

    [Noah Smith, “Techno-optimism for the 2020s,” Noahpinion, December 4, 2020] Cheap taxis and fancy smoothies are out. Big Science is in. 安いタクシーもおしゃれスムージーも飽きた.これからはスゴイ科学の時代だ 2010年代:テクノ悲観論と停滞 2010年代,「いまは技術停滞のまっただ中だ」というのが大方の見方だった.2011年にタイラー・コーエンの『大停滞』が出たり,2016年にロバート・ゴードンの『アメリカ経済:成長の終焉』が出たりした.ピーター・ティールは「空飛ぶ車をのぞんでたのに,手に入れたのは140字だった」と宣言した.デイビッド・グレーバーもこれに同調した.ポール・クルーグマンは,キッチン器具に新しいモノが登場しないのを嘆いた.経済学者のなかには,

    ノア・スミス「2020年代のテクノ楽観論」(2020年12月4日)
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    futab 2021/01/16
  • ノア・スミス「新しいマクロ経済学:「みんなにお金あげろ」」(2020年12月6日)

    [Noah Smith, “The new macro: ‘Give people money‘”, Noahpinion, December 6, 2020] 今回の苦境では経済理論は主役をおりている この前 Twitter でジョークをつぶやいた.この10年でマクロ経済学がどう変わったかってネタだ: ・2010年のマクロ経済学: 「確率的均衡を定義する要因は右のとおりである―――消費経路(…),物価(…),賃金(…),政策の各種変数(…).政策変数には次のようなものがある(以下略)」 ・2020年のマクロ経済学: 「みーんなにお金あげろー.みーんなにお金あげろー.みーんなにお金あげろー.みーんなにお」 もちろん,学術的なマクロ経済学をやっている人の誰一人として,ただひたすら文字通り「みーんなにお金あげろー」と叫ぶばかりの理論系論文を公表してなんかいない.でも,政策の水準では,〔2008

    ノア・スミス「新しいマクロ経済学:「みんなにお金あげろ」」(2020年12月6日)
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    futab 2020/12/20
  • アントン・ハウズ「国家の作り方:中世イギリスに王として転生したあなたは、近代国家を作ることができるだろうか?」(2020年8月28日)

    How to build a state Words by Anton Howes, Works in progress, 28th August 2020 歴史を通じて、国家は、権力の維持に苦闘している。資金を調達したり、市民を統治するためには、民間の護衛官 [1]訳注:主に近代国家以前に、国家によって限定的に権力を与えられた準官吏や民間人のこと や〔民間人の〕用心棒に頼らざるをえなかったのだ。国家は、どのようにして今日の形態に移行したのだろう? 人は、政府が今日のような官僚制度をずっと昔から備えていたと簡単に想定してしまう。17世紀における〔特定利権者への〕独占権の広範な付与や、強大な権力を備えた領土保有貴族のような政治制度は、今より腐敗していた単なる時代遅れの異物のように見えているだろう。19世紀半ばになるまで、政府が医療や教育にほとんど関与していなかった事実は、人々の脳裏からは欠落

    アントン・ハウズ「国家の作り方:中世イギリスに王として転生したあなたは、近代国家を作ることができるだろうか?」(2020年8月28日)
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    futab 2020/11/28
  • ブランコ・ミラノヴィッチ「ミルトン・フリードマンと労働者管理企業」(2020年10月15日)

    Milton Friedman and labor-managed enterprises Posted by Branko Milanovic Thursday, October 15, 2020 1973年の春、ミルトン・フリードマンはユーゴスラビアを訪問した。彼はその旅の数週間後、この訪問についての非常に興味深いやり取りを録音している(リンク先を参照;このリンクは私の友人であるミロス・ヴォイノヴィッチが発掘したものだ)。フリードマンのユーゴスラビアに対する印象と、そこで出した結論は非常に明確で的を射ている。ただしフリードマンの考えは当時において特に目新しいものではなかった。彼が言及しているユーゴスラビアの協同組合(正確には自己管理型企業、SME)の問題は1973年の時点では大変よく知られていた。それでもやはり、フリードマンのまとめは非常に的確であった。またおそらく彼は、よく計画された

    ブランコ・ミラノヴィッチ「ミルトン・フリードマンと労働者管理企業」(2020年10月15日)
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    futab 2020/11/09
  • アレックス・タバロック「本日の政治的に正しくない論文:給与格差のしぶとさ」(2020年10月8日)

    [Alex Tabarrok, “Politically Incorrect Paper of the Day: The Persistence of Pay Inequality,” Marginal Revolution, October 8, 2020] 職場での差別が不可能だったりありそうにない市場ですら,男女の賃金格差があるようだ.たとえば,Uber の運転手は,性別を考慮しないアルゴリズムで賃走を割り振られ,賃走の時間と距離に基づいて対価を支払われる.だが,運転手の手にするお金にはおよそ 7% と小さいながらも男女差が長らく続いている.これは,男性運転手の方がわずかに速く,混雑した地域で働くのを選び,わずかながら経験が多いことに起因しているようだ.Litman et al. (2020) によれば,これと同種の相違がメカニカルタークでの稼ぎにも見られるという. 研究では,ある

    アレックス・タバロック「本日の政治的に正しくない論文:給与格差のしぶとさ」(2020年10月8日)
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    futab 2020/10/11
  • リチャード・ヴァーグ「マネーサプライの急激な増加はインフレを引き起こさない」(2017年1月16日)

    Rapid Money Supply Growth Does Not Cause Inflation By Richard Vague マネーサプライの急激な増加はインフレを引き起こさない 政府債務の急激な上昇、金利の低下、中央銀行バランスシートの急激な増加も同様である マネタリストの理論は、1980年代からその後数十年間にかけて支配的な経済思想となった。マネタリストの理論では、マネーサプライの急上昇はインフレの原因になるとされている。しかしながら、この理論は、入手可能な証拠で実際に検証すると棄却される。1960年代以降の47カ国を対象に広範な調査を行った我々の調査によると、マネーサプライの急増加に引き続いての高インフレはほとんど観測されない。逆に、高インフレが勃発しても、先触れとしてのマネーサプライの急増加は高い頻度で観測されなかった。 論文の目的は、これら最新の研究結果を提示すること

    リチャード・ヴァーグ「マネーサプライの急激な増加はインフレを引き起こさない」(2017年1月16日)
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    futab 2020/10/01
  • スコット・サムナー「人種差別の真実」(2020年7月25日)

    [Scott Sumner, “The truth of racism,” TheMoneyIllusion, July 25, 2020] 人種差別の真実を解説する前に,真実の真実を解説しておく必要がある.たまにこんなことを言う人たちがいる――「あいつは人種差別で非難されてるけど,あいつはホントに人種差別者なのかな?」 この言葉遣いはややこしい.そこで,まずはなにを問題にしてるのか整理しておこう. 人によって,真だと考える言明はさまざまに異なるし,真だと考える自信の度合いもさまざまに異なる.ドラッグを法規制すべきだという言明をぼくは真だと思ってる.CO2 が地球を温暖化しているという言明を大半の専門家は真だと思ってる.2 + 2 = 4 をあらゆる専門家が真だと思ってる. どんな人間でも,どこか他の集団に人種差別者だと思われるものだ.「逆差別」(格差是正策)を支持すれば,どこかの保守主義

    スコット・サムナー「人種差別の真実」(2020年7月25日)
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    futab 2020/07/27
  • ブランコ・ミラノヴィッチ「コロナ後の世界」(2020年3月28日)

    The world after corona Posted by Branko Milanovic on Saturday, March 28, 2020 パンデミックが世界の所得分配に与える影響について何か言えるだろうか? パンデミックがいつまで続くのか、どれだけの国が影響を受けるのか、人が何人死ぬことになるのか、社会機構が崩壊してしまうのかどうか、今はこれらになんら意味のあることは言えない。我々は真っ暗闇の中にいるのだ。今日言ったことのほとんどは、明日には間違いだったと証明されるかもしれない。もし誰か正しい人がいれば、それはその人が必ずしも賢明なのでなく、運がよかっただけだ。ただ、このような危機下では、運は大いに価値がある。 今回の危機で、世界の所得が減少する可能性はどのくらいだろう? 下図は、1952年から2018年までの世界の一人当たりの実質成長率を示したものだ。青色太い線は、伝統

    ブランコ・ミラノヴィッチ「コロナ後の世界」(2020年3月28日)
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    futab 2020/04/12
  • ジョセフ・ヒース「移民についてのカナダ特殊論」(2017年7月1日)

    Canadian exceptionalism Posted by Joseph Heath on July 1, 2017 | Canada, immigration, multiculturalism 先日のことになりますが、イギリスの選挙ではジェレミー・コービンが躍進し、フランスではマクロンが現象を巻き起こすことになりました。この両出来事を受けて、右派ポピュリズムの熱狂は崩壊し始めている、といった楽観論が見られます。こういった楽観論が現れたのは、ドナルド・トランプ、彼の存在がある程度は理由になっているでしょう。トランプの選挙とそれに引き続いた彼の言動は、醜悪なアメリカ人の完全な自己標のようなものになっていました。このトランプの一連の言動は、他国の有権者に「トランプに権力を与えた熱狂を我々は克服しているのだ」と思わせ、これらの国におけるポピュリズムの趨勢に相当のダメージを与えたことは

    ジョセフ・ヒース「移民についてのカナダ特殊論」(2017年7月1日)
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    futab 2019/09/23
  • サイモン・レン=ルイス「右派ポピュリズムが成功する理由を理解する」(2019年7月6日)

    [Simon Wren-Lewis, “Understanding why right-wing populism succeeds,” Mainly Macro, July 6, 2019] このところ,『ロンドン・レビュー・オブ・ブックス』に掲載されたヤン=ヴェルナー・ミュラーの「ポピュリズムと人々」を読み返している(2019年5月).ごく簡潔ながらも,右翼ポピュリズムの台頭といういまの時代にもっとも懸念される政治の動きを慧眼で読み解いた文章だと私は思う.私が取り上げるのはトランプとファラージだが,ハンガリーのオルバーンも,トルコのエルドアンも,ポーランドのカチンスキも,インドのモディも,ブラジルのボルソナロも,共通点がある.それは: ポピュリストの統治手法だ.その基礎をなしているのは(…)ナショナリズム(人種差別をしばしばにじませる)であり,国家をハイジャックして党派に忠実な人々の私

    サイモン・レン=ルイス「右派ポピュリズムが成功する理由を理解する」(2019年7月6日)
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    futab 2019/07/15