独立行政法人の防災科学技術研究所(茨城県つくば市)は、今後も東日本大震災並みの巨大地震が発生する恐れのある日本海溝と千島海溝沿いの海底で、世界最大規模の観測網設置に着手する。 2015年度までに154の観測地点を設け、早期に地震を検知し、防災対策に役立てる。 計画によると、北海道・根室沖から千葉・房総沖を5海域に分け、水深8000メートルまでの海底に、隆起による水圧の変化を測る水圧計と、地震計を組み合わせた観測装置を30~50キロ間隔で格子状に配備。装置を光ファイバーの海底ケーブル(総延長約5100キロ)でつなぎ、データを防災科研や気象庁、大学などに即時配信する。 まず「房総沖」と「三陸沖北部(青森県、北海道)」の2海域から整備を始め、順次運用する。海底観測網の整備によって、陸地の観測に頼っていた従来に比べ、震源域特定の精度などが著しく向上するとみられる。 防災科研地震・火山防災研究ユニッ