津田:僕は、Napstarによって相当人生を変えられたところがあります。ちょうどフリーライター2年目ぐらいのときで、「音楽がただで手に入るなんて、すごい時代になったな」という感慨と同時に、「いや、これ、自分の職業、やばくね?」と思ったんですね。 だって、ネットが勝手につながって音楽なり、文章なりが流通すると、俺らフリーライターの書いている原稿とかは、たぶんタダになっていくぞ、と。 小田嶋:津田さんの、ライター・デビューは何だったんですか。 津田:毎日新聞社の子会社の毎日コミュニケーションズが出していた「PC Fan」の、1ページのレビュー記事でしたね。よく覚えていますよ。だって、その数カ月前に毎日コミュニケーションズの就職試験に落ちていましたから。 小田嶋:最終で落ちるというパターンのやつの1つですか。(注:これは前編を参照) 津田:落とされ方が悪かったんですよ。だって、毎日新聞本社ビル最